「ピティナ・ピアノ曲事典」より
PTNA2006年C級課題曲
1867年から1901年にかけてこの作品集を書き上げた。抒情小品は生涯にわたって作曲されているため、グリーグの作風、ピアニズム、その変遷すべてがその中にあらわれており、作品群の中でも中心的な存在にある。
いずれも1分~6分程度の小品であり、ステージ用というよりは、主にサロンや家庭で広く親しまれていた。どの曲にも標題がつけられており、それぞれの曲に対して、一つの感情、気分、情景が表現されている。
1867年、第1集を発表したが、その後ピアノ、作曲、指揮など多忙だったこともあり、第2集が発表されたのは、その16年後であった。第2集から第10集はある一定の間隔をおきながら続けて作曲された。全10巻で、計66曲の作品がおさめられている。
グリーグ : 抒情小品集 第2集 / Lyriske stykker No.2 op.38
大成功をおさめた第1集の出版から16年がたち、芸術家としての成熟がみられる時期に書かれた作品である。
7.ワルツ / op.38-7 "Vals":ワルツのリズムにのって、悲しげのある旋律が、時々おどけたようなリズムを加えながらで歌われていく。途中で登場するプレストの箇所は、技巧的で激しく、曲の緊張感を一気に高めて効果をあげている。
「ピティナ・ピアノ曲事典」より
ノルウェーの作曲家。グリーグはノルウェーの民族音楽から着想を得て、国民楽派の作曲家として注目された。初期の作風にはドイツ・ロマン派の影響が色濃く現れているが、後年、いわゆる「国民楽派」的な傾向を強める。戯曲の付随音楽をはじめ自国の英雄や民謡、風景などを扱った作品を多く残した。
日本のピアニスト。武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。ミュンヘン国立音楽大学で更に研鑽を積む。1980年PTNAピアノコンペティションD級金賞受賞。1990年PTNAピアノコンペティションデュオ部門特級(2台ピアノ)最優秀賞受賞。
帰国後ピアノリサイタルをはじめ、国内各オーケストラとピアノ協奏曲を共演するほか、ピアノトリオをメインにした室内楽リサイタルを展開している。現在、東京家政大学、近畿大学九州短期大学、全日本ピアノ指導者協会正会員、同協会指導法研究委員、演奏研究委員、ピティナピアノコンペティション全国決勝大会審査員、PTNA Orange Oji ステーション代表、日本演奏連盟会員等。
「ピティナ・ピアノ曲事典」より