ドメニコスカルラッティのソナタを集めました。
「ピティナ・ピアノ曲事典」より
PTNA2004年/2013年D級課題曲
K.63 2/4 CAPRICCIO Allegro G-dur 前後のセクションが重なりあうため、形式上の移行が非常にスムーズで、流れるように楽想が紡ぎ出される。しかし「奇想」の語に最も適する要素は、むしろ調プランだろう。前半は主調から属調、反復記号後は属調から関係調を経て主調へ転調するため、一見、調プランは定石通りに見える。しかし各半部分は終了間際に上声の半音変化を介して同主短調に転調してしまう。その上、最終的に定石通りのD-durへ完全終止する前半とは異なり、作品を締めくくるカデンツは、同主短調ト短調に終止する。あえて主調から逸脱した曲の終わり方は正に「奇想」的といえる。
「ピティナ・ピアノ曲事典」より
イタリアのナポリ出身の作曲家。同年にバロック時代を代表する作曲家が生まれているが、スカルラッティもその時代の鍵盤曲に新しい用法を取り入れた重要な作曲家である。マリア・マグダレーナ・バルバラ王女のために書かれた個性溢れるチェンバリズムが繰り広げられる555曲の練習曲が、そのテーマ性と展開によって後に「ソナタ」と呼ばれて親しまれている。作曲家のアレッサンドロ・スカルラッティは父親である。
神戸大学卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノと室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得卒業。2000年に第3回クララ・シューマン国際ピアノコンクールで日本人初の上位入賞。その後もフランス、イタリア、スペインなど十指を超える国際コンクールで優勝や上位入賞を続ける。現在は年間60回以上の国内外での演奏活動を続けながら、全国各地で審査員、公開講座、指導なども務める。全日本ピアノ指導者協会正会員。2010年PTNA新人指導者賞、2012年PTNA指導者賞(特級グランプリなど輩出)。
「ピティナ・ピアノ曲事典」より