1867年から1901年にかけてこの作品集を書き上げた。抒情小品は生涯にわたって作曲されているため、グリーグの作風、ピアニズム、その変遷すべてがその中にあらわれており、作品群の中でも中心的な存在にある。
いずれも1分~6分程度の小品であり、ステージ用というよりは、主にサロンや家庭で広く親しまれていた。どの曲にも標題がつけられており、それぞれの曲に対して、一つの感情、気分、情景が表現されている。
1867年、第1集を発表したが、その後ピアノ、作曲、指揮など多忙だったこともあり、第2集が発表されたのは、その16年後であった。第2集から第10集はある一定の間隔をおきながら続けて作曲された。全10巻で、計66曲の作品がおさめられている。
グリーグ : 抒情小品集 第3集 / Lyriske smastykker No.3 op.43
1、2集と比較すると、この第3集の内容は自然を主題にしているという点で統一性がみられ、各曲の質が高い。グリーグの最高傑作の一つであるといえる。1877年に出版された。
1.蝶々 / op.43-1 "Sommerfugl":グリーグの作品の中でもとりあげられることが多い名曲。粒の揃った音でキラキラと奏され、かけあがったり、舞い降りたりするその柔軟な音の動きはまさに、美しい蝶を想起させる。主要な旋律ははっきりと浮き立たせる必要がある。
「ピティナ・ピアノ曲事典」より
ノルウェーの作曲家。グリーグはノルウェーの民族音楽から着想を得て、国民楽派の作曲家として注目された。初期の作風にはドイツ・ロマン派の影響が色濃く現れているが、後年、いわゆる「国民楽派」的な傾向を強める。戯曲の付随音楽をはじめ自国の英雄や民謡、風景などを扱った作品を多く残した。
イギリスのピアニスト。