ドメニコスカルラッティのソナタを集めました。
K.98 e-moll 3/8 Allegrissimo 冒頭楽節は9(5+4)小節という構造。不均衡な構造を成すこの冒頭5小節の動機が、作品冒頭と反復記号後とでは、形式上の単位として異なる形で結合されているのが興味深い。作品冒頭では、第4-5小節が第2-3小節の反復であることから、5小節は1+2+2と表せる。ここでは第2-3小節が1つの纏まりを成し、第1小節が付加された小節のように見える。しかし反復記号後は逆に、第1-2小節を1つの単位としてゼクエンツが形成されている。
「ピティナ・ピアノ曲事典」より
イタリアのナポリ出身の作曲家。同年にバロック時代を代表する作曲家が生まれているが、スカルラッティもその時代の鍵盤曲に新しい用法を取り入れた重要な作曲家である。マリア・マグダレーナ・バルバラ王女のために書かれた個性溢れるチェンバリズムが繰り広げられる555曲の練習曲が、そのテーマ性と展開によって後に「ソナタ」と呼ばれて親しまれている。作曲家のアレッサンドロ・スカルラッティは父親である。