シューマン ピアノソナタ 第3番 全楽章の動画集です。
2012年3月11日【公開録音コンサート】
「ピティナ・ピアノ曲事典」より
シューマンのピアノソナタの中では最も大きな規模をもっている。この曲が楽譜として刊行されたときに、出版業者ハスリンガーの希望で「管弦楽のない協奏曲」と命名された。初版刊行のために準備された銅版は、2つのスケルツォ楽章をもつ5つの楽章によって構成されていたが、これが実際に印刷されたかどうかは明確ではない。「管弦楽のない協奏曲」と命名、刊行された初版は、2つのスケルツォ楽章が割愛され、三楽章で構成されていた。第2版では、初版で割愛したスケルツォのうち一つを復活させ、「第3番グランド・ソナタ」と銘打って出版された。これが、今日演奏されているものである。
管弦楽的な多様な色彩感をもった華やかな作品。作品全体において、第3楽章に重点がおかれている。これは恋人クララの作曲したロマンスを主題に用いた変奏曲で、この冒頭の動機によって曲全体が関連づけられている。
第1楽章:アレグロ。7小節の力強い序奏をもつ。ソナタ楽章。第一主題は、クララの動機に基づく。
第2楽章:スケルツォ。クララの動機に基づく下降形の主楽想で始まる。
第3楽章:変奏曲風に。「クララ・ヴィークのアンダンティーノ」と、その4つの変奏曲。クララの父親に交際を禁じられていたシューマンの、彼女への熱い想いを感じさせる。
第4楽章:プレスティッシモ・ポッシービレ。めまぐるしい気分の変化をもつフィナーレ。
「ピティナ・ピアノ曲事典」より
ドイツの作曲家、音楽評論家。ロマン派音楽を代表する一人。
鋭い感性と知性に恵まれていたシューマンは、ホフマンやジャン・パウルなどのロマン主義文学からも深い影響を受け、その作品は、ドイツ・ロマン主義の理念を、音楽家として最も純粋な形で表現し、その精髄を示しているといわれている。ピアノ曲からスタートしたが、歌曲・交響曲・室内楽作品にも名作が多い。若くして手を壊してしまったロベルトは妻であるクララが演奏することを念頭に入れて後半生はピアノ作品を作曲したとも言われている。
人格的に二面性を持ち、評論家としては、自己の二面的な気質を利用して「フロレスタン」「オイゼビウス」という2つのペンネームで執筆していた。
日本のピアニスト。東京芸術大学卒業、第47回日本音楽コンクールピアノ部門第2位。オーケストラとの協演、NHK-FM、TV番組、ヤマハ・ソニー音楽芸術振興会主催コンサート出演、教育用ビデオの演奏収録など各方面にわたり活動中。ピティナ協会正会員。
「ピティナ・ピアノ曲事典」より